​LGBTQの社会保障について

  近年、⽇本社会において、性的指向にかかわらず、誰もが個⼈として尊重され、平等な権利を享受できる社会の実現に向けた機運が⾼まっています。特に、同性カップルの法的な権利保障、すなわち同性婚の法制化は、喫緊の課題として浮上しています。

  2025 年までに、複数の⾼等裁判所が同性婚を認めない⺠法等の規定を「違憲」と判断し、司法の場から法整備を促す強いメッセージが発せられています。別表　同性婚訴訟(高等裁判所が同性婚を認めない民法等の規定を「違憲」と判断)

​

​

​

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  また、地⽅⾃治体レベルでは、同性カップルを公的に承認する「パートナーシップ宣誓制度」(法的効⼒がない)が全国的に広がり、2025 年 5 ⽉時点で⼈⼝カバー率は 9割を超えるなど、社会的な受容は着実に進展しています。

  しかし、これらの動きにもかかわらず、国レベルでの法整備は遅滞しており、同性カップルは依然として法的な「婚姻」関係から排除されている。このことは、単に「婚姻」という形式的な地位が認められないだけでなく、法律上の「配偶者」であることを前提に設計されている社会保障制度の枠外に置かれることを意味しています。

  具体的には、医療保険の扶養、遺族年⾦、配偶者控除などの税制上の優遇措置、法定相続といった、⽣活の安定に不可⽋なセーフティネットへのアクセスが著しく制限され、経済的・社会的に脆弱な⽴場に置かれています。